支那語

英語で中国のことチャイナ(China)と言い、中国語のことをチャイニーズ(Chinese)と言います。日本語で中国のことを支那(もしくはシナ)と言い、中国語のことを支那語と呼びます、というとウソになりますが、芥川龍之介の「支那游記」関連で、広辞苑で「支那」を引いてみました。すると「秦」がなまったもの、とありました。
そうか、世界に中国のことが広まった時代には中国は「秦」(シン、チン、qin2)だったのだなと、あらためて思いました。高校生のとき、秦漢隋唐宋元明清と覚えたような気がする。そんな意味では今の中国は「共」とか「毛」とかなのかもしれない。
「わが半生」愛新覚羅・溥儀(pu3yi2、溥仪)や彼を教えたイギリス人の家庭教師によると清の共通語は満州語ではなくて北京語であったようで、普通語の起源は清が滅びる前からだったと思います。そういう流れだと、支那支那語というのもいいと思う。
NHKの中国語口座のテキストの表紙に大きく「汉语」(漢語)と書かれていてとても気になる。今期のテキストはそれぞれの言語でたとえば英語なら「English」とか書いてあるので、中国語だと「汉语」になるのかもしれないけど、せめて「中文」のような気がするけどなぁ。
中国語の昔(20年くらい前まで)のテキストではあまり「汉语」という言い方をしていなかったと思うので、この辺の事情を知りたい。
中国とか中華という言葉は「世界」という意味であって、国名ではない、というのを聞いたことがあります。でもだから「漢語」というのは民族と国家を重ねているようでとても気持ち悪い。
中国語が好きな理由のひとつがその共通性にあります。それを中国(中共)のもの、とされたり、漢民族のもの、とされると違うでしょ、という気になる。現代まで中国語が残って使われていることの理由は中国語がすばらしいので、中国を占領した各民族や周辺民族がそれを取り入れ守ってきたからだと思う。

今日は以上。