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ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて増補版」

読書感想

数日前に朝日新聞にジョン・ダワー教授がコメントを寄せていて、以前上記の本を読んで感銘を受けたのを思い出しました。この本は、戦後の日本の人々がいろんな形でいかに敗戦を受け止め、一生懸命生きて言ったかがさまざまな資料を元に描かれているものです。左翼教育がいかにアメリカから発せらて、その後なくなっていくか、その影響の深さ、軽さも見えておもしろかった。
そんななので、あちこちでジョン・ダワーは左翼学者と書かれているのを見て、そんなはずないけどなぁ、と思っていたのですが、朝日へのコメントは、朝日的だったので、自分の印象が間違いだったとわかりました。

そうは言っても本自体はあいかわらずいい本だと思うので、日本について考えるための資料としてお勧めです。
ジョン・ダワーは左翼と言うより、中国や韓国の言説も日本の言説と同じ重さで受け入れてしまって、ちゃんと考えていない、という感じです。いわゆるリベラルなのでしょうが、こういう人が政治的には本人の意思に反して、悪(政治プロパガンダ)に加担してしまうような気がする。残念です。


追記:ジョン・ダワーの良い点。事実の積み重ねというか、事実をたくさん集めて、見える形で見せてくれる。日本の学者や文学者も同じようなことをやるのですが、ちょっと違う。リベラルであろうとする態度(偽善?)が自我を守ってくれているのだと思うが、普通では踏み込まないところまで踏み込める。結果として、結論は間違っているけど、たいへんよい論文になる。ということかと思います。
押井守の「立喰師列伝」を見て、パロディなのでしょうが、昔の朝日ジャーナルを延々と読まされてるような文体でちょっと困りましたが、それと比べるとなんと言ってもジョン・ダワーはわかりやすい。
別に日本人は敗戦を「抱きしめ」(embrace)たわけではないという反論については、どういう形にしろ、いろんな形で「受け入れ」たということを事実が示していると思います。表現として、「しかたがない」という表現もあるし、理想主義(左翼?)に走るという逃げもあるかと思います。

[書きかけ]