日本人の起源とY染色体


以前、ミトコンドリアDNAに夢中だったころ、自分のmtDNAを調べたりして、日本人の起源について自分なりの結論を出しました。
http://d.hatena.ne.jp/niming538/20071111
簡単に言えば、地球上に人類が分布したのは通常言われているよりタイムスパンが長く数万年であり、ミトコンドリア時計でわかる。遺伝的浮動と呼ばれる数学的偶然性の作用により、現在住んでいる地域や人数は移動の歴史を考える根拠にならない。また言語を含む文化的特性も移動の歴史を考える根拠にならない。むしろ、ミトコンドリア時計の順序と残っている地域の多様性に注目する。すると、大陸のミトコンドリアDNAは多様性に乏しいこと、日本を含む海岸線はミトコンドリアDNAの多様性に富むことから、人類の移動の歴史は海岸線を伝わって分布したことがわかる。13000年前の最終氷河期の終了と共に大陸が居住可能になり、人類が大陸に移動し、文化が始まった。
ということだと思っています。


さて、Y染色体について当時読んだものがジンギスカンの子孫が数億人とか、日本人のミトコンドリアDNAが多様なのは女性だけ残されて、大陸から来た男が征服したから、だとかわけのわからない論が多かったので、コメントを差し控えていました。


さて、最近「DNAでたどる日本人10万年の旅 多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?」塩谷満、という本を読みました。この著者は例にもれず日本人はシベリアや南方や中国から来たという考え方でバイアスが大きくかかっているのですが、その部分を除くと一応Y染色体の分類や分布がそこそこ述べられていて、日本列島に染色体のDNAの多様性が高いことが示されています。このことはミトコンドリアDNAの場合とまったく同じですので、やはり私の意見が正しいと思った次第です。