円高の正体

「円高の正体」という本を注文しました。読んでからだと影響されてしまうかもしれないので、届く前にいまのところのわたしの考えをメモしておきます。


「デフレの正体」といい、この「円高の正体」といい、景気や為替に「正体」があってそれを正せばなんとかなる、というスタンスがまずバカだと思います。そんなんならだれも苦労していない。という常識があるとおもいますがどうでしょうか。


まず今がほんとに円高なのか。マーケットが正しいとすれば、同じ為替レートならばインフレの国とデフレの国の間の為替交換レートは徐々に修正されていくので、ずっと110円あたりでうろうろしていた方がおかしかった。経過した時間と金利を考えれば80円近辺でおかしくない。


為替も金利も幾多の国家や政治家がコントロールしようとして失敗してきた歴史があります。そう簡単にいじれるわけではない。与えられた状況の中で最善の政策を取るしかなくて、非常に多くの場合、マーケットが正しくてそれを変更しようとした側が負けてきています。


日本の場合、円高やデフレが問題なのではなくて、円高やデフレの間に取った政策が次に来るインフレや円安の痛みをどこまで和らげることができるか、ということだと思います。消費税を上げる結論を先送りし、必要な経済政策を取らず、福祉にばかりお金をばらまき続けてはいけないと思います。消費税を上げ、積極的な経済政策を取って需要を作っていけばデフレは止められると思う。そのような正しい政策をとると、思惑とは逆に日本への信頼がさらに増してさらに円高になってしまうかもしれませんが、そうなったらその状況下で知恵をしぼって高度な需要を作っていく工夫をする、この繰り返しだと思いますがどうでしょうか。円高を止めるだけなら、なにも決めないで働かないでいれば、比較的簡単に今年中でも円安とインフレが来てしまうと思いますが、あ、それでもいいか。