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自滅する中国

読書感想

自滅する中国

自滅する中国

アマゾンの書評に、誰かが「キッシンジャーがなぜ親中派なのか、理由が書いてある」とあったので、むかしからキッシンジャーほど頭のいい人がなぜあれほど中国びいきなのか疑問だったので、買ってよみました。ところが!! キッシンジャー親中派である引用はいっぱいでてくるのですが、理由はぜんぜん書いていない。自分(ルトワック)はキッシンジャーほどバカでないので、中国の脅威を理解している、というスタンスです。


とても面白い本でためになったのですが、表題と中身が違っていて、中国が自滅するとは書いていません。世界から非難されるような軍事的拡張主義の戦略をやめなければ結局は行き詰まるのに、それをやめられない中国という国家(共産党、中国人)を描いているだけです。そのとおりだとすると、世界が一致して封じ込めをしない限り、いずれ周辺諸島、台湾、韓国、日本、太平洋の半分は中国のもの。と書いてあるわけではないのですが、そう読めました。


中国は自滅も自壊も崩壊もしないと思います。そう簡単ではない。
一番危ないのが経済ですが、経済が崩壊しても反乱を軍隊で押さえつけるので大丈夫。
だいたい世界が援助してしまうし。
というのも私の意見です。


キッシンジャーがなぜ親中派なのか」についての疑問はこの本を読んで解けなかったので、とりあえず仮説を書いておきます。キッシンジャーだけでなく、ヨーロッパ人、アメリカ人がなぜ中国にかくも甘いか、共産主義ですよ。不思議なのです。


1.第二次大戦の記憶とそのときのアンチ日本のプロパガンダが今も根強い。これは民衆レベルでは間違いないですが、現実主義的な政治学者でもそうなのだろうか。
2.最終的には独裁国家は弱いので、経済的に利用するだけ利用して国際的な枠組みから外れそうになったときに叩けばいいと思っている。
3.世界経済は、需要と供給で成り立っていて、市場経済だけにまかせておくと10年おきに飽和して需要が足りなくなり恐慌の危険がある。世界経済の一部に非民主主義的な需要源をもつことは世界経済発展のための基礎として重要。
4.ユダヤ人の陰謀説。ホロコーストがあったということが現在の世界の基礎になっているので、南京虐殺がなかっとか、原爆は非人道的だとか、が議論になると基盤が揺るぐ。そうならないように早め早めに手を打っている。
5.日本やインドは言うことを聞かないが、ヘゲモニーをアメリカとヨーロッパが取っている限り、従順な中国の方が対応しやすい。
6.自国の中の左派、リベラルの夢の置き場として機能している。実際の国内政治はそれでは動かないので、現実的に処理するが、外国で自分に直接害がない限り中国を助ける。


うむ。どれも根拠として弱いと思います。