日経新聞2016年9月1日の夕刊に、「縄文人 アジアの古株?」と題する記事がありました。
3000年前のDNAを調べたところ、他の集団に比べて遺伝子の枝分かれが早い段階で出現したものであることが判明したとして、次のような図が出ていました。
人類の祖先┬────────アフリカ人 │┌───────ヨーロッパ人 └┤┌──────オセアニア人 └┤ ┌──アメリカ先住民 │ ┌┤┌─東南アジア人 │ │└┤┌中国人 │ │ └┤ └東アジアの共通祖先┤ └日本人 │ └─縄文人
うむ。ツリー構造をブログでうまく書く方法はないものか。
ま、手っ取り早い話、世界の人類の祖先がアフリカ人であるように、アメリカ先住民、アジア人、中国人の先祖は縄文人というように読めるのですが、それは拡大解釈でしょうか。
今のアフリカ人の子孫がヨーロッパ人や日本人ではないのですが、遺伝はリニアですから、誤解を恐れずに言えば、アフリカ人の子孫がヨーロッパ人でありアジア人である、というのは正しいと思います。同じ考え方で、オセアニア人(アボリジニ)の子孫が縄文人。その子孫がアジア人とアメリカ先住民(インディアン)です。アジア人の中では東南アジア人が中国人と現代日本人の祖先。
で。縄文人という言い方は正しくないのと、縄文も現代もここ数千年の話で、人類が世界に広まったのは数万年単位の話なので、いま知り得ている知見から一番正しいのは次のような言い方になるのではないか。
アフリカで生まれた人類は6万年前にアフリカを出た。二つに枝分かれしてひとつがヨーロッパ人。もうひとつはオセアニアには4万年前に到達した。オセアニアに到達する前に枝分かれしたグループが日本に到達したのが3万年前。その後枝分かれしたグループが東南アジア人、中国人、アメリカ先住民になる。アメリカに到達したのは1万3千年前。ポリネシアやハワイの先住民は台湾から3千年前に渡った。
ということは。アフリカからでた元のアフリカ人はどうなったのか。絶滅しました。オセアニアに到達したグループは途中(インドなど)にたくさんいたと思うのですが、どうなりましたか。絶滅しました。なにも残っていません。日本に到達したグループは東南アジアやフィリピンに残らなかったのですか。それも絶滅です。アメリカ先住民になったアジア人はどうなりましたか。それも絶滅です。これはたぶん早い段階でアメリカ先住民の先祖になってからアメリカに渡ったのでしょう。
とかね。