殿様の通信簿 磯田 道史

を読み終わりました。
以前、同じ著者の、
  武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新
というのを読んで、 とてもおもしろかったので、その流れです。
時代劇や司馬遼太郎なんかを読むとどこまでが事実(一次資料)でどこからが著者の類推かがわからないのが不満ですが、最近の歴史本は時代考証が話のメインで楽しいですね。
ほんとは古文書自体を読みたいくらいですが、引用されているものを読むだけでも楽しい。
古文書のスキャニングも進みつつあるそうですので、直接読むことができる時代も目の前かもしれません。


追記:時代小説ではなく、一次資料(日記や家計簿)などをベースに本が書かれ始めたというか、書かれた本が人気を呼び始めたのはいつごろからでしょうか。わたし自身は、「元禄御畳奉行の日記―尾張藩士の見た浮世」
神坂次郎がはじめで、それ以降はまっています。
と書いて思ったのですが、そもそも時代小説はそういうもの(時代考証そのもの)だったのかもしれません。吉川英治司馬遼太郎が曲げてしまった。別に悪い意味だけではないかもしれませんが、歴史は娯楽だけではいけません、というかおもしろくないですよね。
よく、デュマの三銃士がおもしろいとか、ベルサイユのバラがおもしろいとか言うけれど、入門としてはいいかも知れませんが、実際現実がどうだったかは、できるだけ考証の入ったものを読む(見る)のがいいと思う。


追記:「妖怪草紙―くずし字入門」アダム・カバット、という本が本棚に積んであります。これを読めば、江戸時代の本がなまで読めるのかと思っているのですが、どうでしょう。関連して、疑問ですが、江戸時代以前の本は万葉集までさかのぼって、基本的に楷書で書かれているという認識で合っているか。中国も同じか。ちょっと調べればわかりそうですね。
=>googleの画像で、「万葉集」を引いたら、漢字だらけで日本語を書いてありました。一つ一つの漢字は楷書のようです。同じく、「源氏物語」を引いたら、ひらかな。それも崩してあって、同様に崩した漢字と混じっていて、上記くずし字入門で読み方をマスターすれば読めそう。