ルーツ


「読書感想:人類の足跡10万年全史」http://d.hatena.ne.jp/niming538/20071003に書きましたが、ミトコンドリアDNAで人種の成り立ちがわかります。この関連で有名なのがBryan Sykesブライアン・サイクス「イブの娘たち」という本で、いまこれを読書中。で、有料ですが、彼のやっている、オクスフォード・アンセスターズというところhttp://www.shop.oxfordancestors.com/index.phpに誰でも申し込めばミトコンドリアDNAを調べてくれるとのことなので、申し込みました。


検索してみると、申し込んだという記事はいっぱいあるけど、結果が書かれている記事があまりない。察するに、あまりたいした結果でないか、結果の分析ができるほど他の情報がなくて、おクラ入りという状況かと思います。そうならないように結果を待たずに、何を知りたいかを書いておこうと思います。


「人類の足跡10万年全史」にあるように日本人の中にいくつかの系列がある。検査結果とこの系統図とくらべて考察すること。


大昔、アメリカのテレビものでルーツという番組がありました。黒人の学者がアフリカのガーナあたりの村までルーツをさかのぼっていく話で、いまならちょっと違うトーンになるのかもしれない。


Oxford Ancestorsから届いたキットには耳かきの大きいようなのが入っていました。CSIでいつも見ているからそんなもんだと思いましたが、180ポンドも払ってだまされたように思う人もいるかもしれない。


追記:ブライアン・サイクス「イブの娘たち」読了しました。こちらもたいへんおもしろかった。ミトコンドリアDNAでわかることの最大の部分1.出アフリカであること(同時並行進化説の否定)、2.ポリネシア人がアジアから行ったこと(コン・ティキ号の否定)、3.現代のヨーロッパ人が氷河期にいた旧石器時代人の子孫であること(農耕民族による征服の否定)、この3点についてはオッペンハイマーの本と同じというかサイクスが最初に言ったことだと思います。
この流れだと、オッペンハイマーの言っているようにアメリカを含む世界への広がりも氷河期以前という流れになると思うのですが、その点についてはサイクスは否定的というか結論を出していません。
オクスフォード・アンセスターズの系統図が現在もこのサイクスの本ベースだとすると、180ポンドの結果もわけがわからないものであるのは察しがつきますが、いま「人類の足跡10万年全史」という理論武装があるので、結果がそこそこ楽しみです。


追記:1ヶ月以上かかって結果が届きました。わたしは"Chie"ということで、先日のサイエンスゼロで日本にいる16種類のミトコンドリアDNAタイプのひとつです。最大のD4系統ではなく、アメリカインディアンにつながるタイプ。でも日本人にはそこそこ5%くらいはいる。ついて着た紙によるとシベリアからベーリング海峡を通って南北アメリカに殖民した4つのタイプのひとつ。起源はあきらかでない、とのこと。


南北アメリカはA、B、C、DがいますのでこのCということです。本では、よくC、Z、M8aとかが一緒にされています。一緒で、北アジア、東アジアとあります(オッペンハイマー)が、北アジアってなんだ? シベリアのこととする。東アジアは日本だろう、とすると東南アジアや中国朝鮮にはいるのか知りたい。