オクスフォード・アンセスターズ


オクスフォード・アンセスターズというところhttp://www.shop.oxfordancestors.com/index.phpに誰でも申し込めばミトコンドリアDNAを調べてくれるとのことなので、申し込みました。


180ポンド。綿棒の大きいのが送られてきて、口の中をぐるぐるとして、送り返すと1ヶ月ほどして結果が来ます。貴君は***に属することを認定します、てなか感じの認定証が来ます。私の場合はChieという結果になりました。すごいわけのわからない系統図と解説がついてくるのですが、なぜわけがわからないかというと、本やテレビ番組にあるA、B、C、とかではなくて、Chie(千恵?)とかなんとか名前で書いてあって、解説にはChieというのは千の恵みという意味ですとか英語で書いてある。


こんなの詐欺じゃんと言う方も居られるかもしれませんが、そうではなくて、「イブの娘たち」や「人類の足跡10万年全史」とか、その他ミトコンドリアDNA関係の本を読むとミトコンドリアDNAの系統図の表し方はそこそこ共通していいて、その中のCに当たるということを言っているだけです。基本的にはわかることはそれだけで、それをどう解釈するかどこが起源だとかはまだまだ議論の最中。ヨーロッパについてはそこそこわかってきているけれどその他の世界についてちゃんと語れることはそうは多くない。


CについてはアメリカインディアンのミトコンドリアDNAの話でA、B、C、Dがある、というのがあってこれについては解説にも書いてありました。アメリカに渡って行った一族に属しているということ。アジアでの起源についてはわからないとありました。


アメリカインディアンについては私は賛成ではないのですが、モンゴル発生シベリア経由ベーリング海峡経由で行ったという説が有力です。なぜ賛成でないかというと、日本には16種類のミトコンドリアDNAがあって、モンゴルもアメリカも少ない。エスキモーに至ってはAしかいない。遺伝学では「浮動(Genetic Drift)」という概念があって、当初多様性があるものがある地域に行って年代がたつとある1種に収束してしまうことがある、収束しないことがある、という中で多様性がある方が起源という考え方です。


モンゴル起源で氷河期末期にマンモスを追いかけながらアメリカに渡って行くというのはイメージとしていいし、ロマンチックですが、なんとなくあやしい。海岸線を伝って貝と栗を食べながらアメリカの南端まで行ったのではないでしょうか。


追記:上記のサイトに行くと、データベースというところがあってここにはユーザーIDがないと入れない。ユーザーIDは結果と一緒に送られてきて、登録はその14日後とか書いてある。よくわかりませんが、とりあえずパスワード頂戴メールを出しておきました。このデータベースに入れたら、もうすこし何かわかるかもしれない。あまり期待しないで待ってます。しかしなにしろひとつひとつのアクションに時間がかかるのでちょっと相当いらいらします。時間をある意味での危機管理に使っているのかもしれません。


追記:Googleアラートに「ミトコンドリアDNA」というのを入れておいたら、今日のアラートに【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ DNAでみる縄文人
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/071126/acd0711260824003-n1.htm
というのが引っかかってきました。そこに行って過去記事を検索したところ、少し知見が広がりましたのでとりあえずメモ。
関東縄文人(個体数56)=>ほぼ現代と同じ
北海道縄文人(個体数44)=> D1(D4と同系13.6%)、G1b(13.6%)、M7a(6.8%)、N9b(65.9%)のみ
東北縄文人(個体数12)=> D4b、M7a(50.0%)、N9b(41.7%)のみ
D9bはアムール川の先住民の10.6%と朝鮮半島にわずかのみにある
D1はD4と同系統だが別グループでアメリカ先住民とアムール川流域先住民に分布
G1bはシベリア東部の先住民と現代日本人では北海道アイヌにしか見つかっていない
N9bは現代日本人では北海道2.0%、東北2.7%、沖縄4.3%
M7aは日本にしかなく、起源は東南アジア、日本では南(沖縄の25%)と北に多い。