漢字の書き順その2

先日、漢字の書き順について書いたら結構来られる方が多くて、面白いのでもう少し書きます。ネットを検索したら書き順なんて揺れがあるし、人によっても違う、時代によっても違うのでテストで○×つけるのはよくないという意見の方がいました。一見正論に見えますが、大きく間違えているのが、漢字は言語の一部であり、言語は自由な面もないわけではないですが、むしろ自由に意味を伝えるという目的のために、強い規範性を持っています。また、脳が漢字系言語を覚えて行く過程の中で漢字という言語は手でなぞる、頭の中で繰り返しなぞるという作業をするためになんらかの方法で書き順を定める必要がある。
毎回悩むより、自分はこうしようとか、上からとか左からとかルールに従うのが効率的。
なので、書き順大切。多様性を否定するものではない。
わたしが書いている中国(台湾、大陸)と日本の書き順の違いというのも、あくまで現代の小学生向けの書き順字典のレベルの話で、唐宋時代の書家がどう書いたかとか、日本の崩し字が発展するなかで書き順の役割はどうだったかというのとは別で、それはそれで楽しい研究と思います。
さて、書き順をネットで書く際にどう表記するかというのが別問題であります。
「必」について
日本では、点ノし左点右点という順序ですが、中国では心を書いてから「ノ」を書きます。これも結構大切で、泌尿器科、秘密等の漢字の一部ですね。上の点を先に書く感覚の字は別途中国にもあって、簡体字ですが、「仪」、「义」とかは点ノ斜めの順です。

というような書き方でしばらく行きます。「耳」については書いた。ふるとり(「進」のしんにゅうのないやつ)についても書きました。「右」「有」は中国は横棒から、日本はノから。「布」も同じ。
ちょっと違うかもしれませんが、「成」の字が中国が横棒から、日本はノから。
「馬」が中国が横縦横横縦かぎ(横折)、日本が縦横縦横横横折。 
「垂」が中国が千を書いてから横縦縦横横。日本はノ横横縦縦横縦横。
「良」が中国はノ横折横横縦ちょん斜め(右払い)。日本はノ縦横折横横ちょん斜め。
「骨」(繁体字)の中の小さい箱ですが、日本は縦横、中国は横縦。簡体字は箱の向きが変わってて、一本足りない。上記の表記ですと、横折です。
「火」は中国も日本も左ちょん右ちょん人。
「臣」これがちょっとびっくりかも。中国は、横縦横折横縦で最後に大きく縦折。日本では、縦横縦横折横縦横。この字もいろんな字の一部ですね。姫とか。巨大の「巨」も中国では最後に左の縦と下の横を続けて書きます。区とかと同じ考えです。あ、書き順のせいで、画数も日本の方が一画多いです。
横折とか縦折という表記はあまりなじまないけど便利なので使います。
「田」について書いたっけ。中の十が十は中国も日本も横縦の順なのですが、田の中に入ったとたん、日本では縦横の順になります。ま、わかんないでもないけど、小学生は大変ですね。
「虚」とか「服」「皮」とかはまだ調べ中。多分中国では横折が先で日本ではノ(左払い)が先と思う。
「出」はどうか? 中国では縦折縦縦縦折縦の順です。山と違って、最初に真ん中の縦ではありません。日本ではどうでしょう。調べ中。

とりあえず途中。
つづく:http://d.hatena.ne.jp/niming538/20070406