第二次大戦までは恐慌のたびに各国は保護主義をとって、関税を高くしたり、ブロック経済化したので、力のない国が戦争に追い込まれたりしたと聞きます。ちょっと違うかもしれない。
さて、現在のギリシャ金融危機に端を発するユーロ安ですが、これはむかしの保護主義と同じものなのだろうかというのが今日の疑問です。自国の通貨を安くすれば、輸入は減るし、輸出は増えるので、保護主義と同じ効果のような気がします。かつての金本位制だと通貨を安くすることはできなかったので、関税に頼るしかなかったのですが、いまは経済の弱い国の通貨はマーケットが自然に弱く導いてくれるので、そこの国民は自動的に働かざるを得なくなる。ちがうな。
なぜ違うかと言うとかつての保護主義でも通貨の切り下げは行っていて、切り下げ競争になってしまっていたと思うからです。金本位制というのはかつてですら建前であって、建前どおりに金本位制を運営すると今でいう円高になってしまって、不景気、デフレという流れになったのが昭和恐慌ですよね。
これを現在に考え直してみると通貨切り下げ競争でドイツはギリシャを使って大成功中ということかもしれない。自国の赤字国債を増やさずに弱い国に赤字国債発行させることによって、自国の通貨を切り下げて景気回復につながるかもしれない。しかし、ギリシャに貸したお金は実質返って来ないのだから自国の赤字国債の方がコントロールが効く分だけマシですよね。しかし、ドイツや日本が赤字国債を増やしてもちゃんとコントロールすることをマーケットが見越すので、通貨が下がってくれない。ドイツがどこまで考えて国債空売り規制のようなマーケット無視政策を打ち出しているかわかりませんが、ユーロ安という結論だけ見れば成功と言えるかもしれません。
菅民主党の日本はそうですね仕方がないので消費税上げ、国債発行、インフレターゲット、世界買いに走るというながれでいかがでしょうか。