言語と民族(続き)

数万年という長い期間を取ると、身体的特徴も言語も変化しますが、DNAと照らしてみると意外にも身体的特徴は大きく違っていても同じ言語集団にいると同じDNAクラスターにいることが証明されています。
前回の記事参照: http://d.hatena.ne.jp/niming538/20110505


日本語は特殊だと簡単に言う人がいますが、いろんな言語をすこしずつかじると、韓国語だけでなくいろんな言語が、語順だとか、主語の扱いだとか、日本語と似てたりするので、まとめて比較した本がないかと探してみました。


世界言語への視座―歴史言語学と言語類型論
松本克己


ちゃんとした本なので印欧語についての記述が多くてそこは興味がないので困りましたが、世界中の言語の語順の数を数えた表や、母音の数、らりるれろの発音など、を根拠に1000近くある言語の中で日本語がむしろ一般的、原始的であって、中国語やヨーロッパ言語の方が特殊なことがわかってとても面白いです。南北アメリカ大陸の言語とも親近性がある。日本人の祖先が稲作を持って中国から来た可能性はない。


ま言われなくてもあたりまえのことですが、いろんな本や、新聞の記事に渡来人が弥生人がと書いてあるのでどう否定したらいいのだろうかと頭を悩ませています。日本人の混血を否定するとナショナリストに聞こえるからそれを避けたいとか、人種問題にからむとやっかいなので、適当な主流の意見についておこうというのだとすると、学者や知識人として失格だと思うのになぁ。


ごくごく普通に考えて、日本人は非常に古くから日本人であって、人種として近いのは、台湾原住民や韓国人だと思います。稲作は中国南部で始まって、じょじょに時間をかけて日本まで広まってきた。それは圧倒的に生産性が高いからであって、別に人の移動がなくても稲作文化は移動すると思います。