溥儀(愛新覚羅)


ちくま文庫で厚い2巻本の「わが半生 満州国皇帝の自伝」を読んでいます。前半を読み終わったところ。興味の対象としては、彼が満州語を話していたのか、北京語(北京官話、マンダリン)を話していたのか、というあたりで読み始めたのですが、読み物としておもしろい。


若干、注意事項としては、1.漢字、人名が多くてたいへんややこしい、2.別途満州を扱った小説か歴史書、年表、Wikipediaを用意して読んだ方がよい、3.中共編纂ですので、日本については強くバイアスがかかっているのを認識に入れて読むこと。


以上を踏まえて、SFを読むくらいのおもしろさ(別世界感)があります。


言語については、満州語はほとんどわからなかったようで、中国語(北京語)に間違いありません。英語のイギリス人の家庭教師ジョンストンの「紫禁城のたそがれ」でも検証できます。


追記:後半も読み終わりました。後半は思想改造の話でおもしろくなかった。年表がついています。自伝を書き上げて死んでしまったのですね。1967年61歳。


追記:2007年に中国で新しく溥儀の自伝(従来削除されていた部分を加えたもの)が出たとウィキペディアに書いてありました。東京裁判で偽証した件について、さらに詳しく書いてあるとのことなので、その分だけでも確かめたい。本人が書いた一次資料ではありますが、政治的な中での出版なので二つ比べながら読むといろいろわかることがあるかもしれない。英語訳があるかどうかも見てみたのですが、古いほうの訳しかみつかりませんでした。


追記:一応それらしいのが、中国アマゾンにありました。
http://www.amazon.cn/detail/product.asp?prodid=zjbk571399&ref=SR&uid=168-1468810-6328218
40元で、送料が60元。なんかくやしいけれどとりあえず注文。クレジットの認証がへんな感じでこれも不安ですが、一応成功。


追記:中国アマゾン卓越亚马逊に注文した上記の本が約1週間で自宅に届きました。


追記:内容を確認したところ、出版年は2007年となっていますが、旧来の内容であり、新しい完全版ではありませんでした。ということは中国で出版されていて、海外では入手不可ということだろうか。そんなバカな。


追記:結論としては、16万文字追加された新版が出る、というニュース自体が中国からのガセネタだと思います。英語で検索(puyi、autobiography)しても、日本語で検索しても同じですので、これ以上踊らされるのはやめます。つらいですね。
現在の版でも、極東軍事裁判で証言したことはすべてウソと書いてありますが、加わるはずの第7章「ソ連の5年」の第4節 “極東国際軍事法廷”)ではどんなウソかが書かれるはず。そうすれば日本側の記録との比較検討ができると思ったのですが、とりあえずなし。


追記:その後見つけましたので、この記事を参照してください。http://d.hatena.ne.jp/niming538/20071016