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オタク的中国学入門―と学会レポート

明木茂夫(著)
というのを本屋で見つけて買いました。前から中国語マニアにはオタク的な部分があると思っていたので、そんな興味で買いました。実におもしろい。冒頭の章が、電車男の中国語訳(台湾訳、上海訳)を見比べながらの話です。わたしは電車男自体を読んでいなかったのと、2チャンネルを知らないわけではないのですが、あの掲示板のあうんの呼吸を深読みできるレベルではありません。台湾訳、上海訳ともタマに誤訳はあるようですが、相当深い部分で理解して、翻訳されているようです。ま、理屈はともかくたいへん楽しいのでお勧めです。


中国語のリーディングを始めると、不思議な感覚なのですが、中国の作品より、日本や欧米のものの翻訳がとてもおもしろい。村上春樹の翻訳を読んで、日本語で読んでいたときより、情景や主人公の気持ちがクリアに見えてきた経験があります。ぼやっと理解していたのが、まるで霧が晴れたように、というかメガねをかけたように、というかそんな感じ。
翻訳という作業がいちど心の深いところを理論的なところに持っていってから、もう一度言語に戻すような作業ですので、どんな言語どうしの翻訳も同じようなことがある。大江健三郎は日本語で読むより欧米語に翻訳された方がわかりやすく、だからノーベル賞という説をよく聞きます。ガルシア・マルケスの100年の孤独もスペイン語で読むより、英語で読んだほうが楽しい、だからノーベル賞というのも聞いたことがある。ただ中国語訳を読んでの感想はそういう一般的な感じ以上のものがあると思っています。


いまでは台湾のネット書店や中国アマゾンを通じて、いろんな本の中国語訳が手に入るので、いろんなわからないことがあると、中国語訳を読んでみるということが可能になりました。いい時代です。
ユン・チアン毛沢東」などは、本人の書いた中国語版、英語版の両方が手に入って、日本語翻訳と見比べながら読むという贅沢なことができます。http://d.hatena.ne.jp/niming538/20070527


芥川龍之介支那游记も中国版(2種類)を入手しました。(日本語版が一番入手がむずかしかったりして、日本がおかしいというシチュエーションです。)http://d.hatena.ne.jp/niming538/20070512


追記:2007/07/07。盧溝橋事件1937年7月7日から70年とういことで、朝日新聞がまた不愉快な社説を載せている。わたしは中国も中国人も好きですが、共産主義はだいきらい。一般民衆や宗教が他民族にいろんな感情を持つことは当たり前のことだと思う。それを乗り越えて人と人は友人になれる。朝日新聞や左翼はあきらかにそれを阻害していると思います。